PANGEAプロジェクト体験談①

2年目の秋学期にPANGEA プロジェクトとしてNexus Mundi Foundation(NMF)というTelecom Italyが出資するNPOを支援するプロジェクトに参加しました。NMFは低価格のモバイル・コミュニケーション技術を活用して途上国を支援することを目的に立ち上がったNPOで、我々のプロジェクトはケニアの貧困地区であるKangemiにモバイルテクノロジーを活用した遠隔治療(telemedicine)を導入する際のサービスデザインとビジネスモデルの設計でした。プロジェクトメンバーははBerkeley-ColumbiaのEMBAプログラムに参加していて過去にアフリカでマイクロファイナンスのプロジェクトを実施した経験を持つアメリカ人と、CBSで元マイクロソフトのエンジニアであるカナダ人の女性の計3人でした。

CBSはSocial Enterpriseに非常に力を入れており、授業はもちろんのこと、学生団体としては、主に途上国向けのNPO団体支援を主にしているInternational Development Club (IDC)、Social Enterprise Club(SEC)やNew York周辺のNPO団体支援を主にしたSmall Business Consulting(SBC)も非常にアクティブに活動していて、社会的活動に興味がある人NPOに興味がある人には非常にお勧めです。PANGEA Advisorsのプロジェクトはその中でも、IDCが後援するCBSの看板プログラムの1つです。

 

PANGEA の紹介: http://www.pangeaadvisors.org/default.asp

Social Enterprise Programの紹介: http://www4.gsb.columbia.edu/socialenterprise

 

私はというと、入学前は社会的活動に全く興味はなかったのですが、こんな機会がないと途上国の貧困層の人の生活を見たり、NPOの人と働いたりすることは出来ないなと思い応募をしました。あとアフリカ大陸に行ったことがないので、ぜひ行ってみたかったというのも正直ありました。結果としては、想像できないほどすばらしい体験をすることが出来たと思っています。

私が訪れたKangemi地区はケニアのナイロビの郊外にある町で最貧困地区と呼ばれている地区になります。人口は50万で、失業率が40%、ドラッグと売春、ストリートチルドレンの問題が深刻な地域です。

約2ヶ月に及ぶクライアントディスカッション・リサーチ・エキスパートインタビューを経て、サービスデザインとビジネスモデルの仮説を構築した上で、ケニアにて約1週間に及ぶフィールドワークを実施しました。フィールドワークでは自分達の考えたサービスが本当に現地のニーズにあっているのかを探るためにこの地域に住む人を集めてグループインタビューを実施したり、街中で話を聞いたりしました。また、通常の教育や医療を受けられない人向けに教育施設や医療サービスをこの地区で提供しているJesuitsの神父や医師、教師と議論をし、サービスの提供に向けどのような形で連携できるかを議論しました。最終的に、現地でのリサーチ結果を基に我々の考える理想的なサービスデザインとビジネスモデルをNMFの取締役会でプレゼンし、大満足の中プロジェクトは終了しました。

 3ヶ月と短い期間ではありましたが、この経験は、自分の視野を広げる上で、また自分の人生を再度見つめなおすという意味においても本当に素晴らしいものでした。ぜひCBSに来られたら参加してみることをお勧めします。

 

(執筆者:TH, Class of 2012)