こんにちは、Class of 2026の水井佑輔です。
今回は、元マイクロソフト日本法人社長であり、現在はKKR Senior Advisor・ホンダ社外取締役など多方面で活躍される平野拓也様をゲストスピーカーとしてお迎えし、講演を開催しましたので、ご紹介します。
1. マイクロソフト変革の舞台裏
平野様がMicrosoft JapanのCEOに就任したのは、ちょうどサティア・ナデラ氏が本社CEOに就任したタイミング。Windows中心のビジネスモデルからクラウド企業へと変革を進める転換点でした。特に印象的だったのは次の言葉です。
「CEOの“C”は Culture のC。文化を変えずに事業だけを変えても、組織は必ず元に戻る。」
これは、評価制度や組織構造、協働のあり方など、日々の行動レベルから変えていく姿勢を示すもので、同社の変革を支える基盤になったそうです。
特に、ナデラ氏がI ♡ Open SourceのTシャツを着て社内を歩いたエピソードは、旧来の“閉じたマイクロソフト”から“開かれた組織”へと切り替わった象徴的な場面として紹介されました。
続いて、AI分野での戦略に関して、Microsoftが大きく存在感を高められた背景には、自社開発にこだわらず、OpenAIとの協働をすばやく進めた判断があったといいます。
「Microsoftは、主役になる会社ではなく、他者を成功させる会社に変わった。」
この発想転換が、Copilot などのエンタープライズ領域でのポジション確立につながったと語られました。
2. “自分のやり方で成果を出す”というリーダーシップ
講演の中で印象深かったのが、営業組織を率いた際のエピソードです。当初は“営業向きではない”と感じ、実際、着任直後は顧客訪問に同行させてもらえない状況もあったそうですが、徹底した学習と実行で信頼を獲得していきました。その役職を引き受ける際、上司からかけられた言葉がキャリアの転機になったといいます。
「あなたはこの役に向いていない。でも、“あなたのやり方”でやればいい。」
型どおりのリーダー像に自分を合わせるのではなく、強みを活かして成果を出すという姿勢の大切さが伝わるお話でした。
3. KKRにおける役割
現在はKKR Senior Advisorとして、投資先企業の事業・組織面を中心に支援されています。
「PEファンドは財務だけでは勝てない時代。企業を変える“実行力”が価値になる。」
買収先企業の成長戦略、組織改革、オペレーション改善など、ファンド内部に不足しがちな“実務の目線”を補完するのが自身の役割とのことでした。また、日本市場は現在のKKRにとって“世界で2番目に大きい投資先”であり、重要性が一段と高まっていることにも触れられていました。
4. キャリアの本質:自分の“価値観”を軸に選択する
学生からのキャリア選択への質問に、平野様は「価値観」の重要性を繰り返し述べられました。
「何になりたいかより、“なぜそれをやりたいのか”。価値観が軸にないと、つらいときに折れてしまう。」
また、
・“バランス”ではなく“ワークライフ・チョイス”(時期によって仕事に寄せることも、自分や家族に寄せることもある)
・肩書きではなく“つながりを感じる人と働くこと”
・自分の強みを活かし “自分のやり方”で勝負すること
といったメッセージには、多くの参加者が深く頷いていました。
5. おわりに
今回の講演は、組織をどう変えるか、世界で通用するリーダーシップとは何か、キャリアをどう選び取るか、といった普遍的なテーマに向き合う、とても学びの多い時間となりました。平野様、貴重なお話を本当にありがとうございました。

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